論文出版:層状化合物CeTe3における量子振動

投稿者: | 2020年8月21日

層状化合物CeTe3を母体とする薄膜素子において磁気輸送測定を行い、量子振動(シュブニコフドハース振動)を観測した成果をApplied Physics Letters誌に発表しました(論文)。

CeTe3は希土類トリテルライド RTe3 (R=希土類元素) の一種で、CeとTeのユニットからなる層と、Teのシート2枚から構成される層が交互に積層した層状化合物です。我々は厚さ30 – 40 nmのCeTe3薄膜素子を作製し、磁気輸送現象測定を行いました。その結果、量子振動とユニークな磁気輸送現象が共存していることを発見しました。

磁気抵抗で観測されたシュブニコフドハース振動とヒステリシス

CeTe3の研究が進めば、f軌道スピントロニクスへの道が開かれ、重い電子系における伝導電子とスピンの相互作用を理解するための理想的な舞台が得られる可能性があります。