新学術「量子液晶の物性科学」スタート

投稿者: | 2019年7月16日

2019年7月
 文部科学省科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)「量子液晶の物性科学」(2019~2023年度) が発足しました。
 小林教授は、本新学術のD01班「量子液晶の制御と機能」の班長として参画しています。

棒状や円盤状の分子系では、気体・液体・固体の三態の他に、液晶とよばれる状態が現れますが、近年、様々な固体物質において液晶に類似した電子状態が次々と観測され始めています。このような電子状態は、スピン系・強相関金属・超伝導の各分野で独立に研究されていましたが、本領域では、これらを「スピン液晶」・「電荷液晶」・「電子対液晶」と整理し、いずれも量子多体効果によって現れる点に着目し、「量子液晶」という新概念によって統一的に取り扱います。  既存の分野を超えた新しい連携により、量子液晶の物性を解明すること、またその制御を可能にすることを目的としています。特に、量子液晶の基底状態を解明するとともに、様々な量子液晶に現れる普遍性と多様性の基礎学理を探究します。また、先端技術を駆使して量子液晶の素励起の解明と制御を可能にし、柔軟に変化する液晶の特性と量子性による高速かつ巨大な応答を利用した将来の新技術への基礎を築くことを目指しています。 

領域代表 芝内孝禎(東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授

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